うわー。なんなんだ、これ。という感じ





坂本龍一 - Undercooled】

最近よく聞いている坂本龍一に対するこの熱い想いをつらつらと。


坂本龍一が作る音楽はほんとにほんとに大好きですが、
CDを聞いたことで、
ハッピーになれるわけでもなく、
明日もがんばろうっていう気持ちになるわけでもなく、
告白する勇気が出るわけでもなく、
失恋から立ち直るきっかけをもらうわけでもなく、
好きな子のかばんにこっそりとこのCDをしのびこませようとも思わなく、



ただ、何かが心と頭と体にスーっと侵入してくるだけの感覚。


これって何だろうと考えたとき、坂本龍一が作る音楽は日常の他何ものでもなく、よりリアルに現実と同化していくだけの無数の音の集まりなのである。その日常は極端に美化されてるわけでもなく、どん底を味わうような虚無感が漂っているわけでもない。ただ日常に混在しているモノ、きれいなものから、汚いもの隅々までがすべて音というもので具現化されている。音という形のないものの方がよりリアルに感じられるある種のトリッキーなマジックを疲労している。楽曲の中にはきれいなメロディーの裏にノイズが入ってたりとか、一聴、聞いてて不快に感じるようなもの多数が組み込まれていたりと、これは複雑に構成されている日常の音:生き物が歌うメロディーやら自然が奏でるハーモニー、あるいは人間の行動によって作られた騒音の不協和音そのものであり、あー幸せだなと思う一方で、さまざまな社会というか世界というか地球全体のひずみが滾々と生まれていることに気づかされるわけで、なんかいろいろとぼくの思考回路が働き出します。
つまり、当たり前だと思っている日常を、おいちょっと待て。と坂本龍一の音は立ち止まって考えさせてくれる。
このようなことが言えるのは、彼の活動からくる結果論なのかもしれない。今の自分には彼の行動に何の加担もしてなく、ただ無意味に思考を巡らすことしか出来ないけど、でも、いつか行動するときが来るまで、そのとき、体がスムーズに動くよう、坂本龍一の音楽をこれからも聴き続けようかと思います。

CHASM

CHASM

※特によく聞いているアルバム